最近の一軒家は、その多くがシーリング工事を施した外壁塗装になっています。
それが老朽化すると、打ち替えや打ち増しによってシーリング工事をすることになるでしょう。
そもそもシーリング工事とは、どのような目的によって施工されるのかというと、大まかに分けて二つの目的があるといわれています。
その一つが防水性、もう一つが耐震性の向上です。
まず一つ目の防水性ですが、これはタイル張りの隙間に水が入ってきてしまうのを防ぐ効果があります。
ゴムのように密閉できるシーリング材を外壁塗装の際に使用することによって、水を通さない外壁にしようということです。
そして二つ目の耐震性ですが、これは地震の揺れの際に壁が微妙にずれたり動いたりするときのクッションの部分として、揺れに対応するのです。
完全に遊びの部分がない家の場合、ちょっとの揺れでもひび割れなどが発生してしまう恐れがあります。
そこで、タイルとタイルの間の緩衝材としてシーリング工事をすることによって、少しの揺れでも弾力的に対応できる外壁にしようというわけなのです。
こういったシーリングも経年劣化してしまい、打ち替えや打ち増し工事をすることになるでしょう。
このように多くのメリットがあるシーリングですが、経年劣化によりその役割を果たすことができなくなってしまいます。
一般的には、シーリング工事を行ってから5年から10年ほどで劣化がみられてしまうようです。
では、外壁塗装の際に、このシーリングを「打ち替え」るべきなのか、「打ち増し」すべきなのか、その両者を比較してみましょう。
まずシーリング工事自体の費用を比較してみると、これはもちろん破損部分だけ直す打ち増しの方が安いです。
すでにあるシーリングそのものをすべてはがし、全面的に新しくする打ち替えよりも断然安くシーリング工事をすることができるのは、当たり前でしょう。
しかし、その場合ですと破損していないとはいえ耐久性が悪くなったシーリングの上からまた打ち増すことになるため、全体的な耐久性はさほど回復しないのです。
そのため、せっかくシーリング工事を行ったとしても、またすぐに補修の必要性が高まってしまうことでしょう。
ですから、外壁塗装の塗り直しなどの際に、シーリング工事も全面的に打ち替えてしまったほうが、結果としては見栄えもよくなりますし、耐久性も確保できるはずです。
なかなか一般人には外壁塗装のことはわかりづらいかもしれませんが、後悔のないように、しっかりと比較検討をして業者の見積もりをチェックするようにしましょう。